VAIO meeting 2015レポート ―VAIO Zは安曇野の技術の結晶

2015年2月16日に開催された「VAIO meeting 2015」に参加してきました。

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VAIO meetingでは、同日に発表された「VAIO Z」について、開発陣から “ここだけ” の話を聞くことができるイベントです。司会の方によると、200人の枠に10数倍の応募があったとのこと。残念ながら行けなかったVAIOファンのために、ニコニコ生放送でも実況中継が行われていました。

早速イベントをレポート

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執行役員の花里氏などから挨拶。

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VAIO Z登場!

VAIO Zについて紹介

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「ふたつのモンスター」が登場。0から新しく作りなおした「VAIO Z」と「VAIO Z Canvas」。

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ソニーから独立し、VAIO株式会社になってからは、改めてPC事業について考えなおしたとのこと。社内で議論を重ねた結果、普通のPCメーカーとして、多くのPCを製造して販売し、利益を求める企業ではなく、PCでしかできないことを意識した “究極の道具” を創る企業になりたいという結論になりました。

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今のノートPC業界において、MacBook Airのようなモビリティを意識したコンピュータかつ、MacBook Proのようなパフォーマンスを求めるコンピュータがないことを指摘。その上で、VAIO株式会社は他社が今まで目指さなかったモビリティ・パフォーマンスを重視したノートPCを創りたいと説明。

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社命は「モンスターをつくれ」。

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会社発足後にユーザーから新しいVAIOへのアンケートを実施。

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Zシリーズが新製品として期待されている意見が多く、「VAIOさん、やるならしっかりやれよ」とユーザーの後押しで新しいVAIO Zの開発をスタートすることになりました。

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VAIO株式会社の第1号機として「VAIO Z」を発売。

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「Z ENGINE」というVAIO株式会社の技術を活かし、圧倒的なレスポンスを実現。

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15時間という驚異的なバッテリー持続時間も実現。

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ビジネスのツールとして「無限のホワイトボード」「プレゼンツール」を追求。

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量産部品を集めればPCが作れる時代なのにも関わらず、VAIOは一から部品を設計してPCに採用。細部まで高い品質を追求しています。

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PCとして最高に仕上がっているが、価格以外はw

VAIO Zの分解スタート

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分解は、機構設計リーダーの原田氏が担当し、その解説をプロダクトマネージャー笠井氏、そしてPC Watch等で活躍されている笠原一輝氏がツッコミ役を担当。

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シームレスにプレゼンテーションモードなどに使える。飛行機などで動画を見るのにも良いかもと笠原氏は指摘。

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ソニー時代には外部に決して漏らしてはいけないコードネームを、笠原氏が質問。Zの復活、新会社の体制の変化で「新龍(Shenron)」と特別に公表。

7つの「薄」「軽」「スタミナ」「ビジュアルオーディオ」「レスポンスパフォーマンス」「ペン」「マルチフリップリアカメラ」で3つの夢を叶えます。「最高のビジネスパートナーとしてユーザーの夢を叶える」「安曇野の技術力で感動をユーザーに届ける」「VAIO独立後の起爆剤として大ヒットモデルを創出する」点。

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まずはボトムカバーを外します。ボトムカバーはカーボンを使用。カーボンの軽さと剛性感というのがいかに使えばセットとして使えるのか試行錯誤してきたとのこと。

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開きました。笠原氏は「目が2個あるみたいで特徴的」とのこと。

このレイアウトの特徴として、「まずきれい」。「パッと開けて綺麗なものは良い製品」。どこがすごいのかというと、バッテリーがでかい点。バッテリーライフをいかに長くするために尽力したことが写真から明らかにわかります。

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ヒートパイプは28WのCPUを冷却するために利用。

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バッテリーを取り外しました。

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通常、バッテリーはバッテリーメーカーからの輸送の際にバッテリーそのものを保護するために樹脂ケースが用いられているが、VAIOでは安曇野の工場内でバッテリーを生産することで、樹脂ケースを必要としない構造で生産されています。その結果、従来のPCメーカーのバッテリーと比較して約50%もの性能が上がっています。

実はお高くない。自社の中で他のパーツとして組み合わせることで、コストを安く提供することができています。

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USB。USBは3.0を採用。給電にも対応しています。VAIO専用に設計されたものを使用することで、いかにパフォーマンスを出すのかということを重視していたようでした。

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SDカードの部品。モバイルのSDカードの部品を奥にしてしまうと取り出しにくくなってしまうため、極限まで “取り出しやすさ” を重視して設計をしたとのこと。

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スピーカー。笠原氏は「一般的なモバイルPCではスピーカーが小さい傾向にあるが、VAIO Zに搭載されているものはでかい」と発言。

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ビジネスにおいて、プレゼンをする際に動画を用いることが多いと指摘。そのような利用シーンに対応するために、VAIO Zは大容量のスピーカーを搭載しています。実際に安曇野の本社の会議室で使ってみたところ、100人規模でも全員に音が届くような形になっています。従来機種はFit 13A。

スピーカーには低周波から高周波までの音をフラットに表現することで、一番良い音が出せるので、一般的なノートPCと比較して数倍もの大きさのスピーカーを採用することとなりました。

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Wi-Fiのアンテナ。これもこだわって作ったとのこと。LDSというアンテナを採用していて、モジュールに黄色で自由にアンテナパターンを引けるので、アンテナのポテンシャルを高められます。また、VAIO株式会社では、アンテナメーカーに匹敵するほどの無線を測定できる設備を持っており、製品設計においていかにWi-Fiのパフォーマンスを高められるのかを重視しています。

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実際の数値。A社はAppleのMacBook Pro。B社はMicrosoftのSurface Pro 3。

MacBook Proはアンテナを3本搭載しているのにも関わらず、VAIO Zではアンテナ2本でMacBook Proを超えるスループットを実現。1階にアクセスポイントを置いて、2階の部屋で快適に使うことができると自負しています。設計をしっかりすると、カタログスペックを超えた価値をお客様に提供できるとVAIOはしています。

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リアカメラ。

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リアカメラをフリップスタイルでも利用できるようにしているため、ドキュメントスキャナとして利用撮った写真をインターネットなどで可能。ビジネスに関して新しい可能性を用いるため、単にスカイプのようなチャットツールとしてリアカメラを使うのではなく、様々な使い方ができるようにしています。

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タッチパネルを外していきます。

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剛性感が必要とのことで、1mmの石から作っています。雲母をスライスして積み重ねた素材を使用。普通はメーカーは0.7mmまで動作保証をしてくれないが、どうしても剛性感を出したいため、メーカーと協力の上、ソフトウェアのチューニングなどを行い、1mmの厚さを実現しました。

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来場者に実際のパネルを触ってもらうシーン。

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次はディスプレイを外していきます。

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笠原氏はPCで一番バッテリーを消耗する原因の1つとしてディスプレイの存在を指摘。

モバイルPCというと13インチがメインになってきているが、VAIOが初めて13インチのモデルを発売し、13インチPCの市場を創りあげました。今やフルHDは一般的になってきたが、今回はフルHDを超えた2560×1440の高精細の液晶を搭載。高精細はスマートフォンなどで当たり前になってきたが、ユーザーにとって何が良いのかと考えた結果、ディスプレイを独自に調整。

単に高精細にしてしまったら電力を食ってしまう。いかに省電力を実現するのかが課題でした。

今回、VAIOはLEDを緑・赤・青の色の3原色を利用することで、従来型の液晶よりも写真など綺麗に見ることができます。また、ディスプレイを見るために、必要な光をうまく調整することで、他社よりもパフォーマンスが高いかつ、40%もの省電力を実現しました、

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SSDを取り外しました。

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CPUとSSDの組み合わせでPCの処理速度が変わると言っても過言ではありません。

今回は、PCIのSSDではなく、第二世代のHigh Speed SSDを採用。SATA型のSSDと比較して3.3倍。VAIO Proでも早かったのにも関わらず、1.5倍。SSDが爆速のため、VAIO Zを触って、起動速度が爆速。

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サーマルユニットを外します。この製品のキモです。

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ファン。

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ファンは2つ搭載しているが、異なったサイズ仕様になっています。コストを考えると同じサイズにしたいが、同じものが2つくっついていると音の周波数の特性から音が大きくなってしまう。なので、2つとも羽根の数を変えて、音の周波数を変えています。

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ヒートシンク。

見た目でいうとただの銅のパイプだが、中は銅のパイプに空洞があり、その中に水が入っていてVAIO Zを冷却します。

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28WのCPUでCore i7(15W)をCPUパフォーマンスにおいて超えています。グラフィックも28Wも同様です。

28Wでは消費電力が高いものの、高性能のCPUを冷却するために、ヒートシンクではミラクルな技術(特許申請中)が用いられているとのことです。

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マザーボード。

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上がVAIO Z、下はFit 13Aのマザーボード。

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マザーボードが小さいため、どうしても不利な部分が生じてしまいます。これはソニー時代には高密度実装の技術を持っているため、Fit 13Aでも他社よりも先を行っていたが、基板を小さくすることに成功。

なぜこの細かい製造ができるのかというと、一般的にはPCは水平産業の最たるものだが、他社と協業もしくは独自の技術をとりながら製品を作っています。

PCの基板の小型化を求めていくことで、パフォーマンスの向上を今後の目標としています。

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プロセッサと電源のコイルの間。肉眼でも見れないような部品が取り付けられています。これをいじることのできる技術者は安曇野で数名しかいません。

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これが分解したすべての部品です。分解が完了しました。

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